NEXT WEEKEND

Ruote Leggendarie Production

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2019年10月1日松澤 俊介 | 東京(日本)

 
僕らの世代は16歳になるとバイク(中型2輪)免許を取得して、バイトなんかしてバイクを手に入れて乗り回していた世代。
18歳になれば自動車普通免許を取得するって言うのが当たり前だった時代。
 


働きはじめると先輩などから10年落ちの(当時は10年を超えると毎年車検だった)車などを数万円で譲ってもらい、何時かは新車を!などと夢をみていたものだ。
 
当時、車好きが良く読んでいた『GTロマン』という漫画があったが、僕もそれを読んでいた。そこに出て来た日産スカイラインGT-R(いわゆるハコスカと呼ばれるタイプ)、ジャガーEタイプ、段付きジュリア等が好きだった。現実での新車の夢とは逆に、GTロマンに登場する様なクラシックカーにも漠然とした憧れがあったのも事実。
勿論、当時の僕にとってはいつ壊れるか分からないクラシックカーなど憧れだけであって、購入までにはいたらなかったが・・・。
 
そんな二十歳前後の時代から10数年過ぎて30代も半ばに差し迫った頃、当時バイクに夢中だったが、動体視力の低下から、なんとなくバイクからも遠ざかって行く自分に気がつく。
しかし、若い頃からの乗り物趣味はやはり簡単にはやめる事が出来ず、趣味としてバイクのように週末天気の良い時に楽しめる車が欲しいなぁ~などと考えてしまったのが、運の尽きだったのだろう。
『天気の良い週末にバイクのように楽しむ乗り物なら、現代車のようにエアコンなど無くてもイイ(バイクにはエアコンなんてないからね(笑))。
コンピュータで制御されて味気のない現代車ではなくキャブレターの小さなスポーツカーなんて楽しそうだ!』
 
そんな思いから、当時のGTロマンに登場していたような車達は、いったい今ならいくら位で売っているのだろうか?とWebや雑誌などで調べ始めた。
 
結果的に言うと、僕はトライアンフ・スピットファイアMK1を選んだのだが、数々の名車がある中で何故、スピットファイアMK1を選んだのか?
価格的な問題も勿論ある。当時の輸入、逆輸入バイクなどの新車価格が150万円~250万円辺りが中心だったので、そのあたりで程度の良い楽しめそうなスポーツカーを探し始める。
国産旧車は、パーツの入手に苦労することがあり、欧州のクラシックカー(特に英国車)のパーツは国産社のそれと比べれば、はるかに簡単に安価で手に入こともあり、まずは国産ではなく、欧州のクラシックカーに絞った。アルファロメオのジュリア系や英国車MG、オースチンヒーレー、トライアンフ辺りが、やはりヒットしてくる。
 
当時の僕はスピットファイアその物は知っていたが、僕が知っていたスピットファイアは最終型の1500だった事が調べていく過程でわかった。それなら、もっと古い型はどんな形をしているのか?と調べていると、MK3の画像を発見。「これはカッコいい!」となり、さらに古い初期型はどんな形なんだ?と画像を検索していると瞬間に「これだ!!!」と決め打ちだった。
 
そこからスピットファイアMK1を探し始めるが、まさか、そこまで市場に出回る台数の少ない車だとは想像もしておらず、数々のクラシックカー専門店のwebページを見たり、電話で問い合せてもみたが何処も「スピットファイアのMK1は中々出て来ないよ」的な返事ばかりだった。
候補に上がっていた、アルファのジュリア系やMG-A、MG-B、MG-Midgetそれにオースチンヒーレーだと市場に常に数台は出ていたが、スピットファイアMK1はそうそう市場に出てくる車ではない事も「絶対にこの車を手に入れる」と言う思いに火を点けたのかもしれない。
 
探すこと3年、CGクラフト(埼玉県戸田市のクラシックカーのレストア屋と言った方が正解かな?)にウエッジウッドブルー(水色)のスピットファイアMK1があることを聞きつけ、早速見に行った。そこで社長が「実は工場にも今仕上げている途中のMK1があるんだよ」と言い、それを見に行く。完全に塗装が剥離されていてサイドシルなどの腐っている部分を鈑金し直している最中だった。
色々と話を伺って「良く考えます。」と言って他にも出てくるかもしれないと思い探してみるも、やはり出て来ない。
 
数ヵ月後に再び電話して「あのスピットファイアまだありますか?」と尋ねたら「ちょうど完成したから見においで」と。もぉ~一目散に戸田へと向かった。仕上がったばかりの濃紺のスピットファイアを見たときに「これはカッコイイぞ!」となり。
社長から、以前からあったウエッジウッドブルーのMK1の方が、レストアしていないオリジナルの個体だから価値が高いと言われた。だがやはりレストア直後の綺麗に仕上がった個体を目の前にすると「絶対にコッチ」と思ってしまうものだ。前のオーナーもCGクラフトで購入しており、車検やメンテナンスもここで行われ、過去にどのような修理をしていたのかがほぼ全部分かっていた。それにイギリス本国仕様の右ハンドルと言うのもイイ!瞬間的に「これ買います」と即決状態だった。
 
納車後三日でミッションの2、3速のシンクロが飛んでしまい1速4速ギアだけで店まで走ったり、運転席ドアのストライカーが高速走行中に壊れてしまいカーブを曲がっていたらドアが空いてしまい、慌てて右手でドアを押さえたりとトラブルが連発。
エンジンもデフもその後OHする事となり、結局購入してから手を入れていない部分がほぼ無い程のトラブル三昧だったが、それでも10年以上楽しんで乗っていられるのだから、自分とは相性が良い車なのだろう。
ここ5、6年は大きなトラブルも少なく毎年8000km以上関東各地の峠道を満喫している。
ただ現代車とは違い、トラブルは少ないだけで出ないと言う事ではなく、突然エンジンが止まったりする事もあるが、慣れとは恐ろしいもので、何とか現地でトラブルシューティング出来る位になってしまっていたりもする(笑
 
現代車のように、日常の買い物や旅行などの足に使用するには難しさもあるが、天気の良い週末に峠道を気持ち良く流す楽しさは10年以上たった今でも変わらない。
多くのクラシックカー仲間も出来た。
まだまだ僕の週末とスピットファイアとの日々は続く事になりそうだ。
 
<タイトルについて>
毎週末スピットファイアでドライブできるのを楽しみにしており、その週末を待ちきれない気持ちからこのタイトルにした。以前同じ名前でブログを書いていた。



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